テーマ:
メインメカニクス:
基本情報
| タイトル | シネマポップコーン(Popcorn) |
|---|---|
| テーマ | 映画・経営 |
| 参加人数 | 2~4人 |
| プレイ時間 | 60分前後 |
| 対象年齢 | 10歳から |
| 拡張版情報 | なし |
遊び方
自分の映画館を作り上げ、一番ポップコーン(勝利点)を集めた人が勝ちです。
それぞれ自分の映画館ボードを持ち、そこにフィルムカード(映画)を差し込んでいきます。お客さんはコマで現わされており、袋に入っています。
①毎ラウンド、順番に映画や新しい座席を購入します。
②その後、袋からお客さんコマを引いて座席に配置し、ポップコーンを得たり、映画を買うためのお金を得たりなど、様々な効果を解決します。
①の購入フェイズは順番に1人ずつ、②の上映フェイズは全員同時に行います。
映画館を段々と大きくしたり、流行り廃れた映画を新しい映画に変更するといった感じでテーマにも合っているので理解しやすいと思います。
映画はジャンル(青=ドラマ・赤=アクション・黄=コメディ・緑=SF、ファンタジー)があって、ジャンルごとに強みが異なる。そして、そのジャンルを好むお客さんのコマもあり、うまい具合にマッチングさせると、どんどん効果を発動できます。
もうちょっと詳しく遊び方を見たい方はこちら(ここをタップして開く)
プレイヤーは映画館の館長になり、映画館の設備を新しくしたり、新しい映画を上映したり、お客を呼び込む広告を打ったりして、稼いでいきます。最終的には勝利点であるポップコーンをたくさん得たプレイヤーが勝ち。
①映画や座席を購入(手番順に1人ずつ)
手番順にフィルムカードや座席カードを購入します。どちらも場に数枚ずつ公開されており、1ラウンド中で1枚ずつしかもらえません。手番順に早取りです。
フィルムカードはジャンル(青=ドラマ・赤=アクション・黄=コメディ・緑=SF、ファンタジー)が設定されています。青はお金がもらいやすかったり、個人目標カードをもらえる、赤は勝利点がもらいやすい、黄は映画館の評判を上げやすい(お客さんコマをたくさん引けるようになります)、緑はいらないお客さんコマを取り除いたり、その逆に他プレイヤーに厄介なお客さんコマを押し付けたりしやすい、という傾向があります。
座席は、最初の映画館には1人用、2人用しかありませんが、新しく1人用~3人用の座席カードを購入できます(まあもちろん、1人しか座らないというよりある程度まとまった単位を表しているのでしょうが・・・)。
席数がマッチするシアターで上映すると、ボーナスがもらえるフィルムカードもあるので、映画毎に適正なシアターで上映したいところです。
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フィルムカードの効果で、広告を打つことができます。要は、お客さんコマを新しく増やせるわけですが、対戦相手のコマをもらう(!?)こともできます。また、あまり引いてもうれしくない「白いお客さんコマ」を相手の映画館に押し付けることも可能です。
②お客さんを座席に配置して上映(全員同時)
全員同時に、自分の袋からお客さんコマを引いて座席に配置します。
この時、映画の評判が高まっていると、より多くのお客さんコマを引けるようになります。
ジャンルにマッチする色のお客さんコマを座席に配置できると、フィルムカードが持っている効果のうち1つを発動できます。ただし、白のお客さんコマはどの色ともマッチしないため、効果が発動しにくいという厄介な特徴があります。
その他、座席にも小さなボーナスがついてて、色がマッチすれば発動します。グレーの座席はどの色でも(白でも)発動するため強いです。効果を使った後、お客さんコマはすべて「出口」と呼ばれる場所に集められ、袋のお客さんコマが空になるまでそこに待機します。
効果は次の通り。
・お金をもらう
・ポップコーン(勝利点)をもらう
・個人目標カードをもらう
・映画の評判を上げる
・特定の色用の広告を打てるようになる(お客さんコマを増やせる)
・追加でお客さんコマを1個引き、空いている座席に配置できる
・お客さんコマ1個を袋に戻せる(もう一度そのコマを引きやすくする)
・白いお客さんコマ1個を誰かの袋に入れる
③映画が徐々に廃れる
すべての効果を発動し終わったら次のラウンドに行きますが、その前に各フィルムカードの効果が1つずつ使えなくなるという処理を行います。ずっと同じ映画を上映していると何も効果を発動できなくなります。定期的に上映スケジュールを変更する映画館の気分を味わえます。
感想
| 評価 | 6/10 |
|---|
好み:3.5/5 +
遊びやすさ:2.5/5
※当ブログのボードゲーム評価基準はこちら
軽妙に遊べる中量級。映画館テーマが楽しい。インタラクションにストレスを感じる可能性あり。
映画の持っている効果や座席の効果など色々バリエーションがありますが、比較的似た効果も多いので、毎ターン戦略に沿って少しずつ積み重ねて上手に差をつけていくゲームです。ダイナミックさはないかもしれませんが、バッグからお客さんを引いてくるパートで十分ドキドキもあって盛り上がれますし、映画とお客さんの傾向を考えて組み合わせる作業はとても面白く、軽妙に楽しめます。また、お客さんを配置するターンは同時処理なのも、スピーディーさを担保してくれています。
古いフィルムカードの効果が1ラウンド終了ごとに消されていって、入れ替えが必要になるというのも映画らしさがあって面白いですね。
全体的にテーマがとても惹きつけられるものがあって、遊んでいてシンプルに楽しいです。
同時処理は、スピーディーさは良かったですが同時にそれぞれ勝手なことをやるので、ソロ感はあります。BGAだと気になりませんが、実物だとどうかなあ。発動するボーナスがちょこちょことしており、処理順番のルールも微妙に細かいので、ある程度補助は必要な感じがします。
同時処理で箱庭づくりゲームと聞けばインタラクションがない傾向が強いような気がしますがこのゲームはそんなこともなく、映画館や座席の取り合いの他に、お客さんコマの取り合い・押しつけがあります。
正直、このインタラクションが微妙と感じました。
お客さんコマのインタラクションは2種類あって、1つは赤・黄・青・緑のお客さんを相手から奪う行為。これはもちろん相手からしてみると嫌なのですが、場合によってはバッグの圧縮にもつながって、うれしい時もある(まあ基本は困りますが)。こちらはまだ許容できました。
ただし、2つ目のインタラクションが「白いお客さんコマ」を相手のバッグに入れるというもので、コレが遊んでいて不快感を感じてしまいました。白いお客さんコマはお邪魔コマと化すシーンが多いので、なるべく圧縮したい。白コマを大量に相手のバッグに入れれば相手の計画を狂わせ失速させることも可能。毎ターン2個ずつくらい入れられた時は、プレイをする気が急速に萎えてしまいましたね・・・。
箱庭系ゲームの弱点としてインタラクション不足はたびたび見聞きしますが、気持ちの良くない方向性で絡ませ合うのは、確かにインタラクションは増えるけれど箱庭づくりゲームの良い点をかなり消してしまうのではないか・・・と思いました。
足を引っ張り合うインタラクションといえば、カタンの「盗賊」や「1位との交渉拒否」などが思い浮かびます。実は私はこれらのインタラクションがあまり楽しくなかったという理由でカタンが苦手になりましたので、それに似たものを感じちゃったかな。
インタラクションがあること自体は問題なくて・・・箱庭系ほのぼのゲームと見せかけてその実かなり攻撃的になれる、という点が、振れ幅が大きすぎて、ちょっとまごつきますし、一緒に遊ぶ人をまごつかせちゃいそうだなという感じ。
2人プレイでもある程度、攻撃性を感じたので(もちろんプレイスタイルによりますが)、3・4人プレイで明らかに1位を走っているプレイヤーに対して全員でガンガン攻撃するようなプレイになれば、うーんあまり気持ちよくは遊べなさそうだなあ。不快なプレイ感が生み出されそうな気がして、遊びやすさを感じる反面、卓で提案しにくいと感じてしまいました。ここがもう少し軽減されたら、かなり程よい中量級(ちょいゲーマー向け、テーマ的には初心者も引きつけられる)でより好みだったんだけどなーという感想です。
ただし、なんだかんだ言いつつ、インタラクションが少なめな同時処理系・箱庭系ゲームに、強めのインタラクションを付与しようという気概は感じたので、その点では良かったです。
あと、BGAでのプレイ時、毎回がインタラクションバチバチな展開ではなく、どちらかというと自分の映画館づくりにせっせといそしむ展開の方が比較的多かったことを付け加えておきます。
映画はあまり詳しくない人間ですが、 映画館づくりはとても楽しめましたよ。
