フォレストシャッフルのレビュー | 1プレイが軽い自然テーマのコンボゲー

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評価8/10

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2024年ドイツゲーム大賞! 無限の動植物の組み合わせが中毒になる

「森」をテーマにしたボードゲーム。BGAにて強豪ランクまで上がるほどハマってる。本体持ってないけどレビューします!
コンポーネントはほぼカードのみなんだけど、木カードの上下左右に差し込むというギミックが新しくて楽しい。植林して動物を呼び寄せていく様を味わいつつ、様々な動植物で組み合わせるセットコレクションが最高に楽しい! 大賞おめでとう!

※Board Game Arenaのプレイがメインなので、写真はほとんどBGA準拠になります。また、拡張版のカードも写真に映っていますがご容赦ください。

拡張版のレビューはこちら↓

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目次

フォレストシャッフルの基本情報

※基本情報を隠す
タイトルフォレストシャッフル(Forest Shuffle)
テーマ動物
カード
メインメカニクスセットコレクション
オープンドラフト
ハンドマネジメント
マルチユースカード
参加人数2~5人
プレイ時間40分~60分
BGGランキング総合322位(2024/10/5時点)
BGGウェイトWeight:  2.17 / 5 (Medium Light)
対象年齢10歳から
発売時期2023年~
ゲームデザインコッシュ(Kosch)
アートワークトニ・ロベット(Toni Llobet)
関連企業/団体ルックアウト ゲームズ(Lookout Games)
ADCブラックファイア・エンターテイメント(ADC Blackfire Entertainment)
ジェム・クラブ・キフト(Gém Klub Kft.)
拡張版情報フォレストシャッフル:アルプス(Forest Shuffle: Alpine Expansion)
フォレストシャッフル:ウッドランドエッジ(Forest Shuffle: Woodland Edge Expansion 日本語版なし,BGAにてプレイ可能)
参考元:ボドゲーマBoardGameGeek

プレイ概要

森にはいのちが住まう。
木を生やせばひょこひょこ顔を出す動物たち。多様な樹木と相性のよい動物たちを呼び寄せて自分だけの森を作ろう! 蝶がたくさん集まって賑やかさが増し、ウサギが増えればキツネも活発になる。冬になる前に森を充実させて、勝利を得よう!

主なメカニクス

セットコレクション場に出したカードの組み合わせで得点を稼ぐ
ハンドマネージメント10枚の手札をやりくりして場を構成する
マルチユースカード1枚のカードに複数の使い道がある
オープンドラフト場に出たカードから手札を集める

カードを取る or カードをプレイするだけの簡単ルール

自分だけの森を作り、生態系を充実させて得点を稼ぐゲーム。

10枚の手札をやりくりする「ハンドマネージメント」と、場に出したカードの組み合わせで得点を稼ぐ「セットコレクション」が主なメカニズムとなっています。

ルールは非常にわかりやすくシンプル。
動植物のカードの組み合わせてセットコレクション方式で得点を増やしていくのが特徴です。

ウイングスパンやテラフォーミングマーズのように大量のカードをプレイするゲームですが、得点パターンや効果は比較的わかりやすく、上記有名ボドゲほどテキストも多くないので、プレイ感は軽めになっています。

自分の手番でやること

自分の手番では①カードを取る、②カードをプレイする、の2択から選びます。

①カードを取る

山札か、「空き地」と呼ぶ共通の場から2枚までカードを取ります。カード上限は10枚まで。

②カードをプレイする

他の手札をコストとして0~3枚支払って、カードをプレイします(手札であればどのカードでもOK)。カードの上下・左右に分割されている動植物のカードは、樹木カードが場になければ出せません。コストとして支払った手札は「空き地」に置かれます(空き地のカードは、他のプレイヤーも取れるし、自分も後でもう一度取ることができる)。

カードは「得点」「効果」「アイコン」を持っています。
もっとも大切なのは得点。多様な種類がありますが、パターンはそんなに多くありません。

1枚目のイノシシは「ウリボウが場に出ていれば10点」。
2枚目のオオカミは「シカアイコンの数×5点」。
3枚目の蝶は「場に出ている種類の数によって規定の得点」。

条件なしで得点を持っているカードもあります。

相性の良いカードをどんどん出していって、得点を最大化していきます。

「効果」は場にプレイした時に発動します。「ボーナス」は、前述したようにプレイするカードと同じアイコンのカードを支払うことで得られる効果です。

オオカミの場合、必ず発動する効果は「シカ1枚につきカードを1枚引く」で、ボーナスを達成で来たら追加ターンが行えます。

効果やボーナスの種類はあまり多くなく、ほとんどは「追加ドロー」「カードの追加プレイ」「追加ターン」あたりです。例外として、キノコ類は「特定のアイコンをプレイしたら1ドロー」という永続効果を持っています。

ゲームの終了条件

山札から3枚の「冬カード」が出てきたらゲーム終了です。
3枚の冬カードは、残り50枚あたりにランダムに入っています。いきなり終わることもあれば、最後の1枚までなかなか終わらないことも。最初の冬カードを引いたあたりから、緊張感がぐっと高まりますよ。

感想

テーマ・フレーバー

ペット苦手なのに自然テーマボドゲが大好きな私のドストライク作品となりました。

木カードに動植物カードを差し込んでいくギミック。もうこれに尽きます。
自分の場に森を育てていく様が実感できていい感じ。やっぱり自然テーマはイイですね。

カードの効果や得点能力は、現実の動植物を正確に反映しているとは必ずしも言えないものもありますが、それでも弱肉強食や生態系の相互関係を意識して作られていて面白い。ウサギが多いとキツネの能力が強くなる・・・とか。

木の上下左右にカードを差し込む作業に、単なる作業を少し超えた不思議な清涼感を感じる。心が洗われるような・・・。現実の自然をモチーフにしているからですかね。

全体的な色合いが目に優しいし、心が落ち着く。原色っぽいカラフルさも大好きなのですが、こういう自然なカラフルさも大好きですよ~。

アートワーク・コンポーネント

写実的で美麗なアートワークがほんとにすばらしい。
重量級の有名ゲームである「アーク・ノヴァ」はBGAでプレイして好きになりましたが、唯一苦手な点として「動物がイラストではなく写真」なところ。その点、フォレストシャッフルはイラストがほんとに良いですよ。

コンポーネントはほぼカードのみで、セットアップと片づけはかなり簡単です。
ただし、プレイするためには結構広い空間が必要になります。机の上で3人以上でプレイしようとするとなかなか大変かも。

デザイン上の難点と感じたところ

アイコンが8種類あるのですが、形と色の違いが分かりにくい。色覚に難のある方は、結構見分けが難しいと思います。最悪、形で判別できますが、形も見分けがつきにくいですね。

ここは人を選ぶかも。

プレイ感

実は、フォレストシャッフルはシステムで結構好きになったゲームです。
まず、「木の上下左右に差し込む」という自然テーマと親和性のあるシステムが最強すぎてそこでぐっと引き込まれたのですが、やり込むほどその基幹システムの強靭さに驚かされます。

1回やっても面白いけど、「やりこんだ方が面白いんだろうな」と1回プレイすれば理解できる。その根幹を許容できるかどうかで、好みは分かれるでしょう。

良くも悪くもなんだかんだやりこみゲーです。ゲーマーズゲームという位置づけでしょうか?
そのうえで、さらに好きな点を深堀りすると・・・。

カードをじゃんじゃか引くし種類も多いですが、得点パターンや効果は割とシンプルで、他のユニークカードメインのゲームに比べればかなり呑み込みやすいです。
テキストも短めだし、アイコンを補助する適切な文量で理解しやすい(それでももちろん、慣れないうちは読み込み必要ですけど!)。

ドミニオンなどに代表される「ずっと俺のターン!」的な効果連鎖はもちろん楽しいですが、1手番が長くなるのがやや苦手なところ。一方、フォレストシャッフルでは追加ターンの効果が発動することもありますが、せいぜい1回か2回ほどなので、相手の手番中にだれずサクサク自分の番が回って来るのが好きです。

多彩で綺麗なカードの多様性と、山札からの引き運によって毎回最善の構成が変わる。
シンプルな基幹システムを美しい自然テーマで包み込み、飽きない無限のゲームプレイが生み出されています。すごい!

効果を連鎖させるのではなく、あくまでセットコレクションで、カードの組み合わせで得点をどんどんと増やしていくのも気に入りました。

得点計算時に、「ダマジカで24点、オオカミで25点、ムナジロテンで30点・・・うっはー」といった感じで、1枚で20点・30点と高得点を取れると、脳汁が出まくりです。

BGAとリアルの違い

BGA版ではリアルタイムで得点が表示される(オンオフ切り替え可能)ので、競技性が強いです。

一方、リアルでプレイするメリットとしては、得点計算が最後のためゲーム途中で勝敗がわかりにくい点が挙げられます。
「負け確やん~やる気失せる」みたいな事態にはなりにくいんじゃないかなと想像します。個人的には、最後まで勝敗がわからないゲームが大好きなので、その点はリアルでプレイする大きな利点かな!

基本版はややバランス悪し

基本版はある程度プレイすると、強いコンボ・弱いコンボがわかってきます。はっきり言うと、「シカ+オオカミ」がとにかく強い。いかにシカとオオカミを取れるか?のゲームになったりもします。

私は強いコンボがあると、それ以外の弱いコンボで強い勝ち筋を倒しに行きたがる変な性癖があるのでそれなりに受け入れられますが、それでも拡張版を経験した後だと、基本版はバランス良くないよな・・・と感じるし、基本版だけではプレイする気にはなりません。

インタラクション

インタラクションは次の点。

  • 空き地に置かれるカードの取り合い

自分の場をひたすら組んでいくのが気持ちいいゲームなだけあって、相手の場を直接的に攻撃することはありません。

しかし、「コストとして支払った手札が空き地に置かれる」&「空き地のカードが10枚になったらゲームから除去される」の2つのシステムがシンプルながらも秀逸で、「このカードを捨てると相手は絶対取ってくるよな・・・でも他の手札は全部自分がプレイしたいヤツだから・・・あーどれ捨てよう!」と手札管理に悩んだり、場に出てきたカードを「あのカードは絶対相手が欲しいはずだからこっちでキープしておいて、後で場が流れるタイミングで捨ててやろう」といったカット戦術があったりと、間接的なインタラクションがかなり効いています。

なので、空き地のインタラクションを怠ると、相手に好き放題されて点差つけられる・・・ということが往々にして起こるので、自分の森を育てて脳汁分泌しつつ、水面下の攻防で悔しがらせる、というニクい干渉具合となっています。

リプレイ性

むしろリプレイ性しかない。
抜群のリプレイ性! 次はこうしたい。ああしたい。もう一回!

運要素

100枚以上ある山札からカードを引くため、結構運がからんできます。強いカードを引き続けられたらもちろん勝てません! シカ引きすぎ! オオカミ引きすぎ! 無理やろ! 終わり終わり! とブチぎれることだってもちろんある。
逆に言えば初心者でも上級者に勝つスキがあります。

手なり(と、空き地の公開カード)でどれだけ最大火力を引き出せるか? という戦術眼が重要なゲームです。
手札だけだったらバリバリ運ゲーになるところがうまく調整されていて、森の構成パートと、空き地に置かれるカードの取捨選択パートが、実力の発揮どころを存分に提供してくれます。

あと、ゲームの終了タイミングが「3枚の冬カードを引く」なのですが、これも運の部分で、思った以上にゲームが早く終わったりもします。もっとコンボを伸ばそう・・・と相手がもくろんでいたとしても、こちらがリードしているうちにゲームが急に終わったり。

ガチガチの実力勝負一直線ではなく、良い塩梅で運に救われたり、悔しがったりできますよ。運で負けると、「運だけやん!もう一回!」と結局またやりたくなってしまうという・・・。

プレイ環境(対象/年齢・人数・時間)

対象/年齢

公称は10歳~ですが、テキストがあるので、それくらいでしょう。
初心者でも全然楽しく遊べると思いますが、これから繰り返し遊びたいと言ってくれそう・・・もしくは繰り返し遊べる機会がありそう・・・な方と遊んで、沼らせる方がよりおすすめです!

プレイ人数

2人~5人でプレイ可能ですが、BGGのおすすめは2人プレイです。
個人的には2人プレイベストに同意。多くても3人でとどめるのがいいんじゃないかなと思います。

人数が増えるほど、自分が取れる枚数が減る傾向にあるので、セットコレクションの得点が伸びにくい。2人だと、結構気持ちよくコンボが伸ばせて楽しいです。

プレイ時間

公称は40分~60分。

リアルでは1回しかプレイしていませんが、インスト込みで1時間くらい、慣れていると30分~40分くらいで1ゲーム回せるんじゃないかなと思いました。

BGAで2人戦だと、初回プレイで30分くらいかかりますが、慣れてくると15分以内で1ゲームをプレイできます(BGAでは得点計算が自動なので早い)。

プレイ時の効果処理が簡単だし、「カードを山札から引く」「空き地にカードを出す」「空き地のカードを流す」くらいの処理しかないし、やり込みゲーのわりに早く呑み込めるようデザインされているので、比較的リアルでもサクサクプレイできますよ。

Xのフォロワーの方は、人数増えても比較的プレイ時間は変わらず、4人で35分で終わったともポストされてました。

ドミニオンくらいのプレイ時間なのかな? わからん。
いずれにせよ、1度に何回か回せる軽さ。やりこみゲーは、プレイ時間の短さが大切ですよね~。

総評

評価8/10

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たくさん回したいやりこみゲーの中では、最近一番ハマりました。もちろん、BGAだからガンガンプレイできているというのはあります。

フォレストシャッフルの前はウイングスパンにハマっていたのですが、ウイングスパンと似た自然・動物テーマで、しかも把握すべき範囲が狭くて済み、コンポーネントが少なくプレイ時間も軽いので、沼ってしまった感じですね。

やりこむほどインタラクションの絶妙さや、手札に来たカードでセットコレクションを組み立てる戦術が楽しい。
自然テーマとやり込みゲーが好きならば、ぜひやってみてほしいです。

まあ、1度BGAでやったら「もうこれでいいじゃん」となっちゃいそう(笑)。
ガンガンやりこみたい人はBGAがおすすめです。

個人的にはリアルでやるためにも、当然実物もほしい!(2024年10月現在まだ未所持) リアルで回しやすいコンボゲーは貴重ですよ貴重。

繰り返しになってしまいますが、一度拡張版をやった身としては、基本版のみだとバランスが悪い、カード種類がやや物足りないです。
なので、基本版のみでは総評☆8にとどまりましたが、システムには☆10、バランスは拡張含めて☆10という感じ! 

2024年ドイツゲーム大賞も獲得したということで、これからますます定番の自然テーマゲームとして流行ってほしいですね。

BGAで強豪ランクに達したということで、戦術的なことについてまとめた記事もいずれ書きたいなと思っています!

こんなゲームが好きな人におすすめ

  • テーマ性の強いコンボゲー
  • (動物の)セットコレクション
  • 森を育てるフレーバー
  • やり込み要素
  • 短時間でガンガンプレイ

販売状況

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スリーブ

フォレストシャッフルのカードサイズは87mm×56mmです。カード総数180枚あるので、スリーブは200枚あれば十分足ります。

ハードタイプ

ソフトタイプ

得点計算アプリ(無料)

リアルプレイは得点計算がやや大変なのですが、このような無料のスマホアプリもリリースされています。英語ですが、なかなか便利です。

フォレストシャッフル スマートカウンター(iPhone版・Apple Store)

フォレストシャッフル スマートカウンター(Android版・Google Play)

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