ファンタジー世界を、7種類のファンタジーな乗り物で旅するフレーバーが楽しい中量級ゲーム。乗り物タイルと手札のマッチングが悩ましい! 1998年にドイツゲーム大賞を受賞したことのあるゲームです。
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エルフェンランドの基本情報
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タイトル | エルフェンランド(Elfenland) |
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参加人数 | 2~6人 |
プレイ時間 | 60分 |
BGGランキング | 総合1,397位(2024/12/28時点) |
BGGウェイト | Weight: 2.15 / 5 (Medium Light) |
対象年齢 | 10歳から |
発売時期 | 1998年~ |
ゲームデザイン | アラン・ムーン(Alan R. Moon) |
アートワーク | ドリス・マテーウス(Doris Matthäus) |
拡張版情報 | エルフェンロード(日本語版なし:Elfenroads) |
テーマ・メインメカニクス
遊び方
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ファンタジーな世界をファンタジーな乗り物で巡り、4ラウンドを通じて一番多くの都市を訪問できたプレイヤーが勝ち、というゲームです。
シンプルなルールですが、ルート形成がものすごく悩ましく、頭をめっちゃ使います。
共通ボードには20個の都市が描かれており、各都市がつながっています。
美しいファンタジー世界。
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ゲーム開始時、このように、すべての都市に自分の色のマーカーを置き、プレイヤーマーカー(長くつの形)は、スタート地点であるお城に置きます。
自分のマーカーは、都市を訪れることで回収できます。4ラウンド終了時に同数1位だった場合、手札を多く残している方が勝ちです。
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都市から都市へ移動するためには、地形に対応した乗り物の手札をプレイします。
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例えば、このイノシシは「森」と「草原」を1枚で移動できます。
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このユニコーンは、「草原」と「山」を1枚で移動できますが、「砂漠」を移動したい場合は2枚出す必要があります。
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こちらのドワーフは、色んな地形が渡れるけど少々非効率。
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ドラゴンは最強クラスの移動力を持っています。乗り物はイカダも含めて全7種類。サマリーで、移動できる地形と枚数を確認できます。
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それぞれ、まさにファンタジー世界を表しているワクワクする乗り物たち!
1.乗り物タイルを配置する(1人1個ずつ順番に)
手札をプレイして移動するためには、手札にマッチする「乗り物タイル」が必要となります。
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まず、ラウンド開始時に共通の場から順番に乗り物タイルを所定の数だけ取ります。
次に、スタートプレイヤーから順に、都市と都市の間に好きな乗り物タイル(地形に対応したもの)を1個配置します。
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この森の道にイノシシを配置しました。
乗り物タイルが配置されたら、その場所はラウンド終了時まで、タイルにマッチする手札でしか移動できなくなります。
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当然、他の人も自分の思惑の通りに置きたいので全部計画通りにはいきません。ただし、この乗り物タイルは共通なので、人の配置したルートも利用できます。
旅の旅行を計画するような感じですね。「ここはイノシシで行って~、ここは魔法の雲で~。あ、ここはドラゴンだけか~じゃあそれでいくか」みたいな。旅の計画は皆さんお好きですか? ちなみに私はニガテです
全員がパスするまで、タイルを配置していきます(タイルは次ラウンドに1個持ち越せる)。
2.手札を使って移動する
次に、スタートプレイヤーから順に、手札をプレイできるだけプレイして自分のマーカーを移動させます。
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↑は、イノシシのタイル上をイノシシ1枚で移動した図。移動先の自分の色のマーカーを取れます。
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少ないと2-3か所くらい、多いと一度に5-6か所の都市を回れます。手札と乗り物タイルの相性に悩みに悩みます。
ちなみに、何でも手札3枚を支払えば・・・
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「キャラバン」といって、どの乗り物タイル上でも移動できます。
イカダは少し特殊で、上流から下流に行くときは1枚で移動できて、
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下流から上流にさかのぼる時は2枚必要になります。
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その他、湖も2枚が必要。
手札は次のターンに4枚まで残せます。
全員の移動が終わったら、乗り物タイルをすべて撤収。
次ラウンドになったらスタPを交代し、手札を8枚になるまで配り、乗り物タイルを順番に所定の数だけ取り・・・という流れで、再び旅の計画を立てて移動します。
お邪魔タイル
ちなみに、全員がお邪魔タイルを1枚持っていて、ゲーム中に1度だけ使うことができます。
もうすでに乗り物タイルが置かれている場所にお邪魔タイルを置くと・・・
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所定の枚数+1枚をプレイしないと移動できなくなります。旅の計画をぐっちゃぐちゃにする悪名高きタイルです!
キャラバンの場合は、通常3枚のところ4枚プレイしなければいけません。
上級ルール
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上級ルールでは、ゲーム開始時に、12枚ある都市カードをランダムに全員に1枚ずつ配ります。このカードは全員非公開です。
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ゲーム終了時、自分の都市カードから離れた場所にいると、離れた都市分だけポイントがマイナスされてしまいます。
感想
テーマ・フレーバー
ファンタジー世界の、現実離れしているけれども現実味のある生活を想像させるような「乗り物」をテーマにしているのがとても面白いです。
ただただ、ひたすら、ファンタジー世界を旅して飛び回る。イイネ!
ファンタジーといっても建設・戦闘・冒険・経済などいろいろな分野があると思いますが、「移動」という1つの側面を切り取ることで独自性が生まれていると思います。
アートワーク・コンポーネント
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アートワークは、古いゲームでありながら色あせないすばらしさ! 街のデザインも、乗り物のデザインもいいよね~古き良きファンタジー世界。
ただし、コンポーネントはやや微妙…。木製なのはとても良いのですが、街に置くマーカーは円柱状でふとするとコロコロコロ・・・と転がっていってしまう。あと、街のマーカーとプレイヤーマーカー(長靴)が微妙に見分けにくい。
プレイ感
旅の計画をしていき、実行に移すような楽しさがあります。
ネットワーク構築と移動に特化したメカニクスで、シンプルで美しいルール。
乗り物タイルを置くフェイズでは、他プレイヤーが置くタイルも考慮しなければいけないので、脳内で何度も何度も自分のルートを再検索しつつうんうん唸りながら置いていきます。
移動フェイズでは、他プレイヤーのタイルも利用して、1ターンで一気にたくさんの都市を回れると楽しい!
カードの移動力が決まっていて、ドラゴンが最強でドワーフが器用なんだけれどいまいち使い勝手が悪い点など、ゲームデザインがなんか良い笑 種族への愛情を感じます。
ランダムに配られる手札と、ある程度狙って取れる乗り物タイルを戦術的に組み合わせ、戦略的な旅路を作っていく工程が悩ましい。
他者とルートが被る中で、どれだけ上手に邪魔したり、相手をうまく利用したりするかの駆け引きも楽しいです。何でも3枚支払えば移動できるキャラバンルールも、ちょうどいい救済策になっていていいですね。
ただし、プレイヤー人数によってプレイ感がかなり変わるのが難点と感じました。
3人以下だと結構マップを自由に動けるのですが、ルートが絡み合うインタラクションが少なくなりイマイチこのゲームの面白みが感じられません。4人だとようやく他者とのルート被りが多くなり、インタラクションが大発生して楽しくなってくる。が、5人以上だと今度は脳内でのルート再検索が頻繁に起こり、やたらダウンタイムが長くなる!
なにしろ、手札が8枚、乗り物タイルが毎回手元に4-5個ある中でルートを決めなければならないので、結構ダウンタイムは長めです。やることは毎回同じなので、ダウンタイムが長すぎると疲れを感じました。
ファンタジー世界に入り込んだようなテーマでとても没頭できるし面白いゲームなのですが・・・。
一度にもてる手札の数を減らして、ラウンドを増やしたらもうちょっとテンポ良くなったのかな。
インタラクション
乗り物タイルの取り合い・置き合いにインタラクションがあります。
先述したように、3人以下だと比較的のびのびと旅行できますが、4人以上になるとかなり相手の行動に影響されます。とはいえ、そこがこのゲームの醍醐味ともいえますね。「あーごめん、ここは絶対に魔法の雲なんだよ! 悪いね!」「おのれー、ルート変更!」みたいなシーンが頻繁に発生します。「そこユニコーンで通りたいんじゃろ? ほれ、イノシシをくれてやる!」みたいな底意地の悪いプレイがお好きな人にはたまらないゲームです。
リプレイ性
上級ルールによって、異なるプレイ感を味わえます。
とはいえ、マップは変化しませんし比較的ダウンタイムも長いので、ものすごくリプレイ性が高いわけではないと思います。
プレイ環境(言語依存・対象/年齢/キッズ・人数・時間)
言語依存
言語依存はまったくありません。都市の名前が英語ですが、日本語版でも多分変わらなかった気が。
海外版でも問題なく遊べます!
対象/年齢/キッズ
公称は10歳から。
ルールはシンプルなので、初心者でも理解しやすいと思いますが。が、乗り物タイルを置く計画フェイズと、実際の移動フェイズが分かれているので、ゲームに慣れていないと結構悩むと思います。
あと、キッズにはそのままのルールだと難しいと感じました。年齢が低いほど、時間差で効果が発生することを理解するのが難しいかな? と思うので。
プレイ人数
プレイ可能人数は2-6。BGGでの推奨プレイ人数は4人。
私も4人が一番良いと思います!
3人以下だと、醍醐味のインタラクションが発生しずらく、5人以上だと思考時間によるダウンタイムが許容量を超える、気がする!
プレイ時間
公称60分。4人なら、サクサクやって1時間、でも1時間半~2時間はかかるような気がする。脳内は重量級の疲れを感じます。
総評
評価 | 6/10 |
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※当ブログのボードゲーム評価基準はこちら
良かった点
- ファンタジー世界を旅行するというテーマがとても没入感があって良い
- ノスタルジックでファンタジックなアートワーク
- 言語依存がなくシンプルで覚えやすいルール
- 旅の計画をしているようなネットワーク構築で無限に時間を過ごせる
- 他プレイヤーとの相乗り・邪魔し合いに頭を悩ませる
微妙だった点
- 適正人数の幅が狭い
- ダウンタイムが長い
- プレイ時間が長引きやすく、ルールがシンプルゆえに展開が単調に感じる
テーマもルールも面白いが少々ダウンタイムが気になる
全体の雰囲気が好みだし、旅の計画をしていくゲーム性も面白い。他プレイヤーとルートをかぶらせて、手元の乗り物タイル以上の移動力を出そうとしたり、あえて単独主義でのびのびと旅したり・・・とルートも多彩。けれども、後半になるほどルートは重なる可能性が高くなるので、やはりその時が一番面白いですね。
ダウンタイムの長さと、盛り上がるプレイ人数が体感4人でそれ以外だと微妙に感じるのが残念な所でした。
もっとスピーディーに軽いプレイ感だったら、より好きになってたかも。
じっくり考えて最適解を導き出すのが好きな方であれば、おすすめ。
ファンタジーが好きだったり、最高の旅を、思わぬ障害を乗り越え臨機応変に対応しつつ計画するのが好きだったり、バチバチのインタラクション(ただし4人以上?)が好きな方であればなお楽しめると思いますよ。
販売状況
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