ファーストラット|宇チュウ飛行士を目指せ! 遊びやすい優秀作【レビュー】

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見た目はファニー! サイコロを振らない戦略的すごろくゲーム

「ネズミたち、宇チュウ飛行士を目指す」という語感からしてふざけたテーマを気に入ってしまい購入したら大当たり。ファニーで物語性の高い見た目と、結構ガチ目に楽しめるゲーム性が融合し、入り口は広く、奥行きは深い、まさに「優秀なボードゲーム」の言葉がぴったり。1回1時間前後でサクッと遊べる軽中量級なのもイイですね。君も宇チュウ飛行士にならないか!?

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目次

ファーストラットの基本情報

※基本情報を隠す
タイトルファーストラット(First Rat)
参加人数1~5人
プレイ時間30分~75分
BGGランキング総合723位(2025/12/3時点)
BGGウェイトWeight: 2.26 / 5 (Medium Light)
対象年齢10歳から
発売時期2022年~
ゲームデザインガブリエレ・オーシエロ(Gabriele Ausiello)
ヴィルジーニョ・ジーリ(Virginio Gigli)
アートワークデニス・ロハウゼン(Dennis Lohausen)
拡張版情報なし
参考元:ボドゲーマBoardGameGeek

テーマ・メインメカニクス

遊び方

ファーストラットを一言で表すと「ダイスを振らないすごろく」です。ただし、勝利条件は「ゴール」ではなく、ゴールも含めて多様な方法でVPを最も多く集めたプレイヤーが勝ちです。

ゲーム開始時に、プレイヤーはネズミ2匹を所持してスタートします。
基本的な自分の手番のアクションは、超シンプルで「移動」のみです。

ネズミ1匹を5マスまで動かすか、複数のネズミを3マス以内の範囲で同時に動かすか、の2択です。
複数のネズミを動かす場合は、別々で同じ色のマスに止まらなければいけません。

ネズミ1匹なら、5マスまで動かせる。

ネズミ2匹以上なら、3マス以内(↑は1匹目が2マス、2匹目が3マス)まで、かつ同じ色のマスに動かせる。

アクションはほんと、この移動のみです。あとは、VPを取るためのフリーアクションがありますが、それは追々。
移動したら、基本的には止まったマスに書かれているリソースをもらえます。

①チーズ

ネズミたちの貨幣代わりになっているらしく、他のネズミが止まっているマスに止まったら、そのプレイヤーにチーズを支払わなければいけません。2人戦だと比較的のびのびできますが、5人戦だと互いのマスを踏みまくるので、「はい、チーズ~」が頻繁に発生します。

②そのほかのいろいろなリソース

ネズミたちは、これらの材料を集めれば宇宙s・・・もとい、宇チュウ船を作れると思い込んでいるようで、必要な数が集まったらリソースを支払って・・・

宇宙船の部品を作れます。これはフリーアクションで、自分のターンに何回でも行えます。部品を建造したら、自分のマーカーをトラックに配置し、上に書かれているVPをゲーム終了時にもらえます。宇宙・・・もとい宇チュウ(しつこい)に行くための貢献度として、評価されてるということなのでしょうか。

早く作ったプレイヤーほど高い点数がもらえますので、先取りの競争となります。遅いほどもらえるVPは低くなりますが、置ける数に制限はありません。
ちなみに、チーズも10個寄付するとマーカーを置けます。「チーズを寄付するネズミ」という字面がなんだかジワジワきますね。

③特殊なリソースたち

特殊なマスの1つ目は「電飾マーカー」を進められます。

電飾マーカーを進めると、電飾マーカー以下のマスに止まった際にもらえるリソースが1個増えます。その他、一定以上進めると、先ほどの建造と同じく電飾トラックにマーカーを置けるようになります。

2つ目は「巣穴マーカー」を進められます。

巣穴マーカーを進めて1周すると、巣穴トラックにマーカーを置いてVPをもらえますが、

それ以外にも2つの途中で折り返すコースがあって、1つ目を折り返すと、新たなネズミを増員できます(ネズミは最大4匹まで動かせます)。

もっと手前で折り返すと、図書館に潜り込んでマガジンを読みあさった結果、ネズミがパワーアップするマガジンタイルをもらえます。

これはデメリット無しの永続効果をもたらす上に、結構強い。移動力を増加したり、リソース獲得力を増加してくれるため、積極的に取りに行きたいところです。↓は、ロケットの建造の部品を-1してくれるマガジン。

このように、ネズミを動かしてリソースを獲得する、あるいは電飾や巣穴を進めてボーナスを獲得する、ということを繰り返しつつ、宇宙船の部品を建造したりして、各トラックのVPを競争で獲得していきます。

もちろん、ゴールにたどり着いてもVPがもらえます。早くたどり着ければVPは高い。小学生の頃のリレーを思い出します。・・・そういえばリレーの選手に選ばれたことあったけど、練習中にコケて補欠に代わってもらったことあったな・・・。

ネズミを1匹ゴールさせると、3VPか新たなネズミを増員できます。

途中の店でアイテムを「くすねて」ゲームを優位に進めろ!

このゲームの面白いところは、すごろく途中で便利アイテムをチーズを支払って購入できるのですが、支払わずに「くすねる」ことができるところです。そりゃネズミですもの! くすねるのは流儀! 対価を支払うなんて選択肢はないのよネズミには!

例えば↓はモグラの店。永続で巣穴マスを+2できるバックアップをもらうためには、本来6チーズを支払わなければなりませんが、こいつをくすねて・・・

手元に置きます。

そのネズミはスタートに戻ります。

「スタートに戻る」はすごろくの嫌がられる定番マスNo.1ですが、ファーストラットにおいては戦略の1つとなります。ゴールすることだけが目的ではなく、リソースを集めたいときもあるので、「スタートに戻る」をうまく利用しながら強いアイテムをうまく駆使して建造しまくる、なんて戦法も取れるわけです。なにより、ゲットできるアイテムが「スタートに戻る」デメリットを補って余りあるパワーを持っています。

一本道のすごろくでアクションは移動のみのシンプルな作りですが、多様な戦法で戦えるのがファーストラットの面白いところです。

アイテムは3種類で、マガジン同様強い永続効果をもたらす「バックパックタイル」、1回限りの使用だがリソース獲得量を2倍にする「エナジードリンク」、ゲーム終了時のVP獲得につながる「ボトルキャップ」です。

エナジードリンク。

ボトルキャップ。ゲーム終了時VPになります。

終了トリガー

①誰かがネズミを4匹ともゴールさせる
②誰かが10個のマーカーのうち8個目をいずれかのトラックに置く

このいずれかが行われると終了トリガーが引かれ、ルールに従って手番を終えてゲーム終了です。

ネズミをちゃっちゃか進めてゴールさせるスピード戦法か、マーカーを置きまくって終了トリガーを引くか・・・の読み合いですね。
大体30分~長引いても1時間半というところでしょうか。

裏面によるリプレイ性

ファーストラットは裏面が用意されています。

裏面は、マスをランダムにアレンジできます。その結果、↓のような地形になったりもします。チーズチーズチーズ!

また、得点表もアレンジできます。

順位によって得られるVPが空白に。

こちらを重ねることで、重要度が変わります。

そのほか、特殊なネズミとか用意されてて、条件を変えながら、長く遊べるようにデザインされてます。

感想

テーマ・フレーバー

宇宙×ネズミという奇想天外なテーマ、「宇チュウ飛行士を目指す!」というファンシーなストーリーに心惹かれますね!
リソースも、ネズミの世界らしくて独特。チーズが通貨。いざとなったら食べて飢えをしのげるけどそしたら貧乏になるという。いや、あまり深堀りしちゃいけないか?

というか海外産のゲームなのに、日本語の語感が良いんですよね。

「宇チュウ飛行士」とか、「アーノルドチュワルチュネッガー」(追加要素)とか。日本人デザイナーですか!? ってくらい言葉がハマってます。

とっつきやすいし、なおかつ「すごろく」という(厳密にいえば違いますが)親しみのあるメカニクスのおかげで、手に取りやすいフレーバーになっているのが魅力です。

実は、中身はガチの実力勝負上等!なんですが、このネズミテーマのおかげで入り口がおばあちゃんちの縁側くらい入りやすくなってます。他プレイヤーに支払うのがチーズじゃなくて金とかだったら、面白みが半減しますよね。
そのほかのアイテムも、「それぢゃ飛行船作れねーよ!」とツッコミたくなる楽しいつくり。ちゃんと、ストーリーに入り込ませてくれるデザインは大好きですよ。

アートワーク・コンポーネント

ネズミのコマをはじめとして、ほとんどカードはなくトークンで構成されています。かなり種類が多いので、収納はややめんどくさい。

アートワークは雰囲気に合っていて良い。可愛らしく、万人に受け入れやすい絵柄だなと思いました。

プレイ感

「ボード上をサイコロを振らずに進めるすごろく」とルール的にも(一見)説明が簡単で、とっても遊びやすい優等生なボードゲームです。

ただし、すべて公開情報のアブストラクトゲームで、実力もかなりちゃんと反映されます。とっつきやすく、かつガチガチでも遊べる設計ですね。

遊びやすさとして拡大再生産・成長要素があることも挙げられます。

途中で取得できるアイテムによってどんどんとパワーアップできるのが楽しい。また、マスを進むにつれて取れるリソース量も増加していくので、インフレ感を味わえます。

非ゲーマーの妻も、最初は要素の多さに敬遠していましたが、いざプレイしてみると「面白い!」と。

思ったよりサクサク終わるのも良き。

インタラクション

・他プレイヤーがいるマスに止まることでチーズを支払う
・早取りの共通目標
・終了トリガー

このあたりにインタラクションがあります。

得点は早取りで取り合いですが、多様なルートがあって選びやすいし、大体何やっても実になるから苦しすぎないのが〇。

ゴール以外にもVP獲得の様々な手段が用意されており、「俺はチーズ集めまくるわ!」「ガンガン宇宙船作りまーす」といった感じで、各々独自の路線に走っていくのが面白い。
インタラクションは結構ありますが、比較的棲み分けできる(他プレイヤーと被らず別の戦法を選びやすい)ので、自分なりの道を模索できるのも初心者におすすめしやすいポイントです。

2人だとのびのびプレイ、5人だとぎゅうぎゅうプレイで、雰囲気も変わってきます。一部のアイテムの強さが変動しますね。でもどちらも楽しいですよ!

リプレイ性

1本道のルートに飽きてきた時のために、裏面が用意されています。マスを色々とアレンジできる。また、上級ルールで個人能力持ちのネズミを使うこともできる。
これによってリプレイ性は担保されている・・・のですが、マスのアレンジのバリエーションは、個人的にはそこまで強く求めてないかなー。

確かに、マスが変わったり得点が変わったりで重要度が変化しプレイ感も少し変わるのですが、逆に「強い戦法」がシステムによって指定されてしまう感じもしました。

せっかくプレイ感を変えるんだから、新しいコースが裏面に用意されてたらもっとダイナミックでワクワクしたかも。

プレイ環境(言語依存・対象/年齢/キッズ・人数・時間)

言語依存

追加要素のネズミの他は、言語依存はなし。

アイコンもわかりやすいので、海外版でも遊べるんじゃないでしょうか。
ただし、日本語版の方がフレーバーをより楽しめていいですけどね。

対象/年齢/キッズ

公称は10歳から。

少々要素は多いですが、初心者にもおすすめしやすいです。「サイコロ振らないすごろくだよ~」というと大体「結構わかりやすそう!」という表情をしてくれます。

ただしボードを広げてコンポーネントを用意していくと「あれ、なんか(要素多くて)複雑そう・・・」と不安な顔に逆戻り。
でも、根幹のシステムが「1匹なら5マス、2匹以上なら3マス以内」というアクションに集約されているので、それ以外がごちゃごちゃしているように見えても、「チーズが貨幣」「リソース払って宇宙船を建造」など、アクションがイメージしやすくて進め始めると大体すぐ理解して遊べます。

「止まればコレがもらえる」とわかりやすいので、キッズも意外と遊べます。私は、子どもと遊ぶときは巣穴のマガジンがやや難しいと思うので無しにして、代わりに3チーズを置いてます。

プレイ人数

公称1-5人。BGGでの推奨プレイ人数は3-4人で、私も同意です。

プレイ人数が変わることによって、人がいるマスを頻繁に踏んでチーズを渡し合う回数が増えるので、チーズの重要度が変わってきますね。

プレイ時間

公称30分~75分。うん、大体それくらいで終わりますね。

遊びやすいんですよね~終了トリガーの切り方次第では、サクっと終わる。コンポーネントの片づけが少し大変なくらいで、比較的提案しやすい重さです。

総評

評価8/10

※当ブログのボードゲーム評価基準はこちら

良かった点

  • ファンシーでとっつきやすいテーマ、かわいらしいアート
  • 「サイコロを振らないすごろく」というわかりやすいシステム
  • 言語依存がなく理解しやすいデザイン
  • 多様な得点ルートがあり、棲み分けしながら独自の戦略を展開できる
  • 軽めに、なおかつ5人まで遊べる懐の広さ

気になった点

  • 実力が出やすいのでゲーマーがやるとかなり強い
  • 裏面によるリプレイ性がそこまで高いとは思えない

まとめ

好み☆7・遊びやすさ☆9。

一見、狭い一本道ながら、独自路線で戦法を突き詰められる、また先取りのVPがそこかしこにあり常に緊張感があり思考しつつ進めるすごろく、ということで、好みの要素が詰まっている軽中量級ゲーム。

非ゲーマーの妻、6歳の娘でも遊べるし、ゲーム会でも取り回しが良くてめっちゃ遊びやすい、我が家の推しです。

ゲームシステムがテーマによってしっかり意味づけされていて、大好き!
ただ、宇宙テーマがはまらなかったのか? 自分から積極的に「ファーストラットやろう! やろう!」と持ち出すほどではないです。これはゲームシステムにいちゃもん付けてるわけではなくて、ただただ好みですすいません。

テーマに浸りきる前に、スピーディーにゲームが終わるからかなあ。うーん、はっきり言葉にならない。短くても浸れるゲームもあるしなあ。システム的には、好みの要素が詰まっているのですが。

でも、いずれにせよおすすめしやすさも含めて結局好きです。沼ドボーン!なゲームではないけど、「良い浅瀬だぜ~」って感じかな(わからん)。
ボドゲ会の時に、よさそうなタイミングを見計らって「そんなら、こちらどっすか?」と隙あらば差し出すくらいには、推してます。

テーマにもっとハマれたら☆9になってたかも。これからもっと遊んでみて、味を感じられるようになったら☆9になるかもしれません。いずれにせよ、☆7に下がることはない、優秀作です!

販売状況

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