フィット・トゥ・プリントのレビュー | リアルタイム進行の定番タイル配置ゲー爆誕!

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評価9/10

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タイル配置軽量級の定番になりうる面白さ! リアルタイム新聞づくりゲーム

遊びやすさ☆10、面白さ☆10、好み☆10! 唯一「リアルタイム進行」が合わない方もいるかなと思い、☆9になったけどほぼ☆10と言わざるを得ない、だって面白いんだもん!
1ラウンド4分、3ラウンドで必ず決着がつくため、どんなタイミングでも遊びやすい。ついつい「もう1回ッ」と叫んでしまうタイル配置ゲーの定番が爆誕!

目次

フィット・トゥ・プリントの基本情報

※基本情報を隠す
タイトルフィット・トゥ・プリント(Fit To Print)
テーマ動物
パズル
メインメカニクスリアルタイム
タイル配置
セットコレクション
参加人数1~6人
プレイ時間15分~30分
BGGランキング総合1,290位
BGGウェイトWeight:  2.05 / 5 (Medium Light)
対象年齢10歳から
発売時期2023年~
ゲームデザインピーター・マクファーソン(Peter McPherson)
アートワーク(Ian O’Toole)
関連企業/団体フラットアウト・ゲームズ(Flatout Games)
アルデラックエンターテイメントグループ(Alderac Entertainment Group)
チューチューゲームズ(Choo Choo Games)
拡張版情報Fit To Print: Game Breaking News Mini-Expansion(日本語版なし、ミニ拡張) 
参考元:ボドゲーマBoardGameGeek

プレイ概要

動物村の小さな新聞社の編集長になって、締め切りに追われながら金・土・日の3日分の新聞を完成させろ!
様々なカテゴリーの記事・写真・広告の配分が大切! おっと、レイアウトはよく考えるように。明るい記事と暗い記事のバランスは大丈夫か? 余白は作るなよ!

ただでさえ目がキリキリ回る週末の新聞編集。そのうち上司が偉そうに指示を出し始める始末・・・。迫る締め切りに焦りながら一番良い新聞を発行できるのはいったい誰だ!?

新聞の編集長になり、記事や写真などのタイルを個人ボード(新聞)に配置してVPを稼ぐゲームです。

最大の特徴は、リアルタイム進行でラウンドが進むこと!
1ラウンド4分(標準)、計3ラウンドで12分、ワチャワチャしている間にあっという間にゲームセット。セットアップや得点計算の時間を含めても、30分ほどで1ゲームが終わる軽いゲームです。4-5人いると、得点計算でもうちょい時間がかかるかも?

しかし、(リアルタイム進行という性質上)パーティーゲーかと思いきや中身は結構しっかりしていて、悩ましいポイントもたくさん、遊んだ後の充実感もたっぷりです。

記事・写真・広告などのタイルを個人ボード(紙面)に配置

ラウンド開始時、中央には様々なタイルが裏面になって山になっています。種類は3種類で、形は様々です。

記事タイルは、さらにエンタメ・経済・〇〇の3カテゴリーがあります。これらのタイルを・・・

こんな感じで配置していきます。ちなみに、囲っているタイルは「特ダネタイル」という大きなタイルで、ラウンド開始時に配られます。これも必ず配置しなければいけません。

金曜日・土曜日・日曜日は、少しずつ紙面が大きくなりますので、取るタイル量も変わってきます。

とりあえず、1ラウンド目を実際のゲームの流れで見ていきましょう。

特ダネタイルを受け取ったら、時計を用意して・・・


レッツゴー!

※通常は標準モード4分ですが、撮影のため「ゆったりモード」の5分に設定してあります

①取材フェイズ

まずは「取材フェイズ」です!
取材フェイズでできるのは、中央のタイルを手元の机に重ねていくこと。

片手で裏面のタイルを1枚選び・・・

机の上まで持ってきて裏返します。

このタイルを使いたい場合は、そのまま机の上に置きます。まだこの段階では紙面に配置できません!
あと、いったん机の上に置いたら、もう山には戻せません。

使いたくない場合は、表にしたまま山に戻し、さらに別のタイルを集めます。

だんだんと机の上にタイルがたまっていきます。

「うーん、これくらいでいいかな」と思ったら、他プレイヤーの進み具合は関係なく、あくまで自分のタイミングで・・・

「レイアウトォ!!!」

と、力の限り絶叫し ※、「レイアウトフェイズ」に移行します!
そう、このゲームは、タイルの「取得」と「配置」を一度に行えないのです。

※ウソです。宣言の声量は他プレイヤー、及び隣室で寝ているお子さんの迷惑にならない程度に調節しましょう

②レイアウトフェイズ

いよいよ、机の上に取ったタイルを紙面に配置していきます(レイアウトフェイズでは、両手使ってもOK)。

この際、「同じカテゴリーのタイルを隣接させてはいけない」という配置ルールを守らなければいけません。

新聞はバランスが大事! 間に別の種類のタイルを置くか、空白を作ってなんとかします。記事は3色あるので、別色であればOK。
誤って隣接させてラウンドが終わると、ラウンドの得点計算時にどちらかのタイルを裏返さなければいけません!
気を付けてても、隣接しちゃうんですよネー

配置して配置して、良い具合の新聞ができたなと思ったら・・・

校了タイルの若い数字を取って、終了!
(校了タイルは、次のラウンドの特ダネタイルを選ぶ権利が与えられます)

当然、時間切れてもその時点で強制終了!

得点計算

4分経ったら、以下のルールに従って得点計算します。

記事タイル
  • 配置した記事がそのままVP
  • ポジティブな記事とネガティブな記事がバランス良く配置されていないと減点(↑は-2点)
写真タイル
  • 条件に合う隣接記事によって得点が加算
  • こちらの写真は隣接してしまったので裏返し
特ダネタイル

特ダネタイルに記載されている条件によってVP

余白の大きさ

最大の余白エリアを持っていたら減点、最小だったらボーナスVP

使いきれなかったタイル

残してしまったタイルの枚数が減点に。

広告タイル

VPは稼げませんが、3ラウンドの広告収入の累計が最も低いプレイヤーはゲームから脱落します

どんなに良い新聞作っても・・・広告収益上がらなきゃ容赦なく(上から)つぶされます!!!(2人プレイだと、脱落ではなく-10点です)

もう1回書きますが、標準モードは「4分」です。

こ~んだけいろんなことを考えながら、取材→レイアウトを4分で終わらせなければいけません。

40秒で支度しなければいけなかったパズーよりましか・・・などとジョークを飛ばしているヒマはありません。
始まったとたんワチャワチャ! 終わり頃にはワーキャーワーキャーの阿鼻叫喚!

そのほかのモード

フィット・トゥ・プリントは様々なヴァリアントや遊び方が最初から用意されています。

ソロモードやキャンペーンモード、またリアルタイムが苦手な人のために、手番制ルールなんてのもあります。
いろんな属性の人に遊んでほしいという配慮を感じますね。

その他、上級ルールとして、個人能力や曜日ごとの追加ルールも。

個人能力

1人ずつ、ルールブックにキャラクター背景が描かれてます

写真タイル

ただでさえ頭のキャパがパンパンなのに、さらに指示を出してくる上の人。

感想

テーマ・フレーバー

最高!

「動物村」+「新聞」という設定がとても良い。子どもや女性、ボドゲになじみがない人もググっと引き込む力があります。これが人間の新聞社だったら、少し生々しくてヒットする層が狭まったんじゃないかな。

後述しますが、システムとの噛み合いもすばらしい。良い新聞を作りたいんだけど、上から「早く仕上げて!」とせっつかれて、未完成でも泣く泣く新聞を発行せざるを得ない仕事人(?)の気持ちが十二分に味わえて楽しいです。タイムアップ後に「時間足りないよ~」「もっとこうすればよかったよ~」と恨みつらみ言い訳をごねるのがまさに世の中って感じがしていいじゃないですか。

アートワーク・コンポーネント

描かれている動物たちがかわいい。意味もなく、キャラクター造詣が深堀りされていたりして、ルールブックも読んでいて楽しいです。

そしてコンポーネントが良いんですよ~かわいい。
タイルと組み立て式の机(タイル載せるところ)は結構ちゃんとした品質で安心感があります。

ただし、紙面ボードは薄い! 取り扱い気を付けないと壊れちゃうので気を付けて。うちはお子さんに壊されかけましたorz(ぎりセーフの状態で保った)

机は1つ1つデザインが異なっており「あ、これはこのキャラクターのじゃね?」と予測するのも楽しい。

記事も1つ1つ和訳されていて、力が入ってます。動物の世界ならではの記事の見出しがなかなか笑える。

得点計算時に「こんな新聞できた~」と披露しあうとほのぼのします。

システム

おんもしろい!

4分という明らかに足りなさげなリアルタイム進行が「締め切り間近な新聞づくり」というフレーバーによくマッチしていて楽しい。
得点ルールやフェイズはしっかりまとまりがあって、そこに「リアルタイム」という制限をつけてあえてワチャワチャにしている感じですね!

「緑の記事! 緑の記事が欲しい! ・・・だー広告しかない~!」などと頭を掻きむしりながらもだえる取材フェイズ、
「ああ! 縦長のタイルが必要だったのに! 広告取りすぎた! あ、記事の雰囲気のバランス超悪い!」と過去の自分に悪態をつきながら配置するレイアウトフェイズ。そして得点計算時にはため息の嵐・・・。

パーティーゲーの顔して、その実しっかり考える要素があるから、ボドゲ欲を短い時間で満たしてくれる。素晴らしい塩梅です。

インタラクション

主なインタラクションは以下の通り。

  • タイルの取り合い
  • 特ダネタイルの早取り
  • 広告収入による脱落

そもそも手元のパズルで精いっぱいなんで、インタラクションは少なめな方。ただし、最後の「広告収入による脱落」が強烈だけどね! 脱落がキツすぎると感じれば、2人プレイ時のルールである「-10点」に変えればストレスも減ります。

そしてなんといっても、一番のインタラクションは「ワチャワチャの空気間の共有」と言っていいでしょう。苦労の共有。楽しい。個人的には、ゲームの性質上これくらいのインタラクション具合でちょうどいいと感じました。

リプレイ性

リプレイ性は高いですね!

もちろん、1ゲームが短いから、超深い戦略性があるかというとそこまでではありません。

でもサクッと遊べるし、基本、すべてがうまくいくわけではない時間設定が基本になっているので、ついつい「もう1回!」とリクエストしちゃうつくりになってます。

慣れてきたら、タイマーの分数を変えればそれだけで難易度もいじれるので歯ごたえを調整できる。実力差があれば、〇秒遅れでスタート、などの調整もありですね!

また、上級ルールや時間設定の変化による難易度設定、ソロモードやパズルモードなど、様々なモードが用意されており、いろんな方法で遊び尽くせるように工夫されてます。
プレイヤーの属性によって味変できる細かい工夫がありがたいですね~。

プレイ環境(対象/年齢・人数・時間)

対象/年齢

公称は10歳からとなってますが、遊び方に幅を持たせているので、比較的広い年齢・属性に対応できます。

プレイ人数・プレイ時間

公称は15-30分。
大体、公称通りじゃないかなと思います。

最大6人まで一緒にプレイできますが、得点計算やラウンド移行にかかる時間が増えるだけで、ラウンドの4分は固定なので、人数によって時間が左右されにくいのがとってもイイ。

さすがに6人で、初プレイの人も含めると30分は超えて1時間近くかかりました。
でも、6人でしっかり遊べて初プレイ含めて1時間で終わったらすごくないですか?

「とりあえずこれ遊ぶ?」が言いやすいし、2人で30分以内に遊びたい時って、「これは時間かかるな・・・あれも時間かかるな・・・結局パーティーゲーか・・・」となること多いですが、フィット・トゥ・プリントなら「あ~頭使った~」感を感じられるので、満足度高いです!
中量級~のゲームの合間にもおすすめ!

気になるポイント

「あせらされるのが苦手」「落ち着いて考えたい」という方は、リアルタイム進行でパニくってしまい、合わないかも?

また、たっぷり重厚なゲームを楽しみたいという場合にも、当然候補からは外れます。「頭を使う軽ゲー」として遊ぶのがベストですね。

また、広い盤面でパズルをするわけではないので、たぶんある程度頭の良い方なら、数プレイすれば高得点を取るための法則性を見つけ出せてしまうかなとも思いました。そうなったら、少々イージーになってしまうかも。

総評

評価9/10

※当ブログのボードゲーム評価基準はこちら

フレーバーが大変すばらしく、かつ取り回しの良い、至れり尽くせりなゲームでとても気に入りました!

重めのゲームは苦手な妻でも(30分以内に終わるということもあって)誘いやすいという点も個人的にグッド。
またボドゲ会でも好評! いろんな場面で、この先長くお世話になりそうです。

うちの子(年長)と一緒に「得点計算なし、時間制限+配置制限のみ」で遊びましたが、紙面のパズルを大変楽しんでおりました笑 ビジュアルが良いから、触ってるだけで楽しめるね。

いろんなモードはまだまったく遊べていません!

個人的には☆10をつけたいところでしたが、「リアルタイム」であるという特異性やゲームの軽さから、時に人を選ぶかも? あと、タイル配置に強い人が強い勝ち筋を見つけたら、単なるイージーな配置ゲーになってしまうかも? という点を考慮して、☆9に。
でも、限りなく☆10に近いです! 2024年に購入したゲームの中で、一番遊びやすいタイトルだと感じています♪

こんなゲームが好きな人におすすめ

  • しっかり短く終わる軽量級
  • 動物テーマや職業体験テーマ
  • かわいいコンポーネント
  • タイル配置やパズル
  • 人数が多くても遊びやすい
  • 初心者でも遊びやすい

販売状況

スリーブ

フィット・トゥ・プリントのカードサイズは88mm×57mmです。50枚あれば十分足ります。

ハードタイプ

ソフトタイプ

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