評価 | 6/10 |
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ポイント・シティは、「宝石の煌き」に似ていると話題で気になって購入したゲームです。実際に遊んでみると、確かに似ている風味もありながら、ポップな絵柄も相まってとっつきやすく、いい雰囲気のゲームでした。が、少々ゲームの流れがきっちりデザインされすぎているかな・・・? 遊びやすく重宝するゲームだとは思いましたが、フレーバー重視の私からするとテーマ性が薄く、好みに合わない点もありました。そこらへんも正直にレビューします。
ポイント・シティの基本情報
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タイトル | ポイント・シティ(Point City) |
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テーマ | 街開発 カード |
メインメカニクス | エンジンビルド オープンドラフト セットコレクション |
参加人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 15分~30分 |
BGGランキング | 総合1,182位(2024/11/18現在) |
BGGウェイト | Weight: 1.69 / 5 (Medium Light) |
対象年齢 | 10歳から |
発売時期 | 2023年~ |
ゲームデザイン | モリー・ジョンソン(Molly Johnson) ロバート・メルビン(Robert Melvin) ショーン・スタンキーウィッチ(Shawn Stankewich) |
アートワーク | ディラン・マンギニ(Dylan Mangini) |
関連企業/団体 | フラットアウト・ゲームズ(Flatout Games) アルデラックエンターテイメントグループ(Alderac Entertainment Group) ホビーワールド(Hobby World) |
拡張版情報 | なし |
プレイ概要
様々な施設を、経済力・工業力・労働力・エコロジー・動力の5つの資源を払って建てていこう。
新たに建てた施設は、永続的に資源を発揮してくれたり、得点になったり、条件次第で高いポイントを得られる公共トークンがゲットできるぞ!
メインメカニクス
エンジンビルド | 自分の場にカードを並べていき、アクションを強化する |
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オープンドラフト | 場にある16枚のカードから2枚のカードを取る |
セットコレクション | 建設したカードの組み合わせでVPを得られる |
カードの取得・建設のシンプルなルール
ゲーム開始時、場には4×4の16枚のカードが並んでいます。
カードはリバーシブルになっており、表は施設、裏は資源になっています。自分のターンでは、場のカード2枚、もしくは山札から2枚のカードを取ります。
カードを取って空いたスペースには、元々裏(資源面)が置かれていた場所には表(施設)を、表が置かれていた場所には裏を置きます。こうして、場には資源面と施設面が混ざっていくことになります。
施設面のカードを取る際には、その建設コストを支払わなければなりません。支払えない場合は取れません。
↑のカードは、経済力(黄色のコイン)1と工業力(赤の歯車)1を支払います。
建設できた場合、それは自分の場に置かれていきます。そして、左上に書かれている資源を永続的に発生させることができるようになります。つまり、合致する永続資源を発生させる施設が建っていれば、資源カードの手札を支払わずとも建設ができるようになります! 宝石の煌きのようなイメージですね。
山札はレベル1~3まであり、最初はコスト&VPの低いレベル1から始まります。
ゲームが進んでいくとレベル2・レベル3に移行していきます。レベル2~3のカードは、資源カードが2つの資源を発生させたり、ワイルドで使用できる「ひらめき」が出現したりするほか、建設コストも高くなり、カードから取得できるVPも多くなっていきます。
また、資源もVPも発生させない「公共施設」を建設すると、「公共トークン」をゲットできます。
公共トークンを所持していると、建設した永続資源等の条件に応じて、ゲーム終了時にVPがもらえます。
ゲーム終了条件
山札が0になり、最後の人が場から2枚カードを取ったらゲーム終了。
カードの得点・公共トークンのVPを数えて、一番VPが多かった人が勝利です。
感想
テーマ・フレーバー
工業力・労働力・経済力・動力・エコロジーという5種類の資源で施設を建てていきます。「街コロ」シリーズの雰囲気に近いですね。
街開発をしていこう!というテーマはありますが、テーマ性は強くないです。ぶっちゃけ、モチーフは何に変えてもOK、という感じかな。
アートワーク・コンポーネント
アートワークはポップなイメージで、とてもとっつきやすい!
施設のイラストも可愛らしく、性別・年齢関係なく受け入れられるデザインとなっています。
コンポーネントはほぼカードのみで、セッティングも楽ですね。
プレイ感
よく「宝石の煌き風」と言われるこのゲーム。
手元に施設カードをたくさん建てることで資源を発生させ、拡大再生産しながらより強いカードを取っていく、という点は、確かに「宝石の煌き風」という説明がよく合っています。
宝石の煌きと異なる点は、場の変化が速い事と、コストが高く強いカードが意図的にゲーム中盤・後半に出るように設計されていることです。ここらへんは、かなり実力の差が出る宝石の煌きに比べてカジュアルで、遊びやすくなっている良い工夫だと思いました。
手番では、カード2枚を取るだけなので本当にシンプル。ルール説明も簡単で、初心者でも遊びやすいですね。
縦横2枚のカードを取っていくギミックがなかなか悩ましい。永続資源が増えていき、資源カードを使わず建設できるようになるのが楽しいです。
VPは公共トークンか、施設カード自体の点数で取っていく。どちらに特化しても意外と均衡するので、場のカード次第で柔軟に戦術を組み立てる必要があります。
気になったところ
「宝石の煌き」は戦略性が強く、実力のある人に叩きのめされる感じが少々苦手だったので💦、ランダム性が高くより遊びやすそうな本作が気になっていました。
そして遊んでみたところ、実際にはランダム性は高いものの、自由度は意外と低い印象です。
山札のカードがレベル1~3に分けられており、意図的にコストの高いカードが後半に出てくる工夫自体は、個人的には好きです・・・が、ゲームの流れがデザインされすぎている印象も受けました。ダイナミックにゲームが動いていかないというか・・・淡々とカードを取り続けて終わる感じ。テーマ性があまりないことも相まって、少々盛り上がりに欠けると感じてしまいました。
また、拡大再生産の面白みは、後半になっていくとどんどんやれることが増えたり、もらえるVPがどーん!と増えていくところだと思っているのですが、ポイント・シティはそのあたりも(良くも悪くも)インフレしすぎないようにデザインされていて、コストの支払いの苦しさが常に一定な感じ。序盤に永続資源をうまく建てられないと、後半はひたすら苦しい印象でした。
あともう一つ、カードを2枚取った後に、資源面だったところには建物面を、建物面だったところには資源面のカードを置くのですが、毎回「あれ、どっちがどっちだっけ?」とわからなくなる笑 リバーシブルである必要はあったのかしらん? まあ、その方が制作コストは抑えられるのか・・・。
インタラクション
インタラクションは次のポイント。
・場のカードの取り合い
・公共トークンの早取り
相手の取りたいカードをカットしようにも、そもそもコストの関係上自分が取れるカードが限られることも多く、妨害に走っている余裕はないという印象でした。
リプレイ性
毎回、レベルごとのカードをシャッフルするので、もちろん展開が変わりリプレイ性は高い。
はずですが、前述したようにゲームの流れがデザインされている点において、あまり変わらない展開になりがち(と感じてしまった)で、その点ではリプレイ欲をあまりそそられませんでした・・・。
プレイ環境(対象・人数・時間)
対象・年齢
公称は10歳から。
言語依存がほぼなく(公共トークンにわずかに言語依存があるくらい)、アイコンメインでプレイできるのでわかりやすいです。5-6歳からでもできると思います!
プレイ人数
1-4人。BGGでの推奨ベストは2人。
プレイ人数によって事前にカードを除外するルールによって、何人でもラウンド数が一定になるようデザインされているので、何人でも大丈夫かな? と思います。
プレイ時間
公称は15-30分。
慣れてくれば、おおむねそれくらいでプレイできます。サクサク進みますね!
総評
評価 | 6/10 |
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間違いなく遊びやすいゲームです!
が、テーマ性が薄く、ゲームの流れがある程度デザインされている点が、少々好みと合いませんでした。同じく拡大再生産要素を持つ「街コロ」の方が、後半の収入のインフレ具合がダイナミックで好きかもです。
宝石の煌きのやり込み具合や、好み具合によって、また評価が変わるのかな・・・?
いずれにせよ、30分くらいでサクッと遊べるので、持っていれば重宝することは間違いないですね。