クアックサルバーのレビュー | 初心者も遊びやすい中軽量級チキンレース!

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評価7/10

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超名作チキンレース! 怪しい薬を混ぜ合わせて盛り上がれ! 

軽中量級の名作。バッグからチップを引いて全員同時に鍋に放り込み、バーストするかどうかのチキンレースが超楽しい! 初心者からでも十二分に楽しめる一級品のボードゲーム!

※2024年11月現在では、新品は流通しておらず中古品がメインとなります。

目次

クアックサルバーの基本情報

※基本情報を隠す
タイトルクアックサルバー(英題:The Quacks of Quedlinburg 原題:Die Quacksalber von Quedlinburg)
テーマ中世
メインメカニクスデッキ・バッグ構築
チキンレース
参加人数2~4人
プレイ時間45分
BGGランキング総合68位(2024/11/29時点)
BGGウェイトWeight:  1.94 / 5 (Medium Light)
対象年齢10歳から
発売時期2018年~
ゲームデザインヴォルフガング・ヴァルシュ(Wolfgang Warsch)
アートワークデニス・ロハウゼン(Dennis Lohausen)
関連企業/団体シュミット・シュピーレ(Schmidt Spiele)
デヴィル(Devir)
アークライト(Arclight)
拡張版情報クアックサルバー:薬草使いの魔女たち(拡張)
クアックサルバー:デュエル(派生版)
参考元:ボドゲーマBoardGameGeek 2024年11月29日現在

プレイ概要

怪しい薬を作って、9日間のバザーで大儲け!
薬の中身? ・・・ふふふ、中身を覗いたらきっと後悔するよ?
様々な効能を持つ材料をたんまり入れて、最高にぶっ飛ぶ薬を作ろう!

主なメカニクス

チキンレースバッグからチップを引き、一定以上の数値を出してしまったらアクション強制終了!
バッグ構築強力なチップを購入してバッグに入れ、バーストする確率を減らす

盛り上がるチキンレース、バッグの中身を改良して高得点をたたき出せ

クアックサルバーは、怪しい薬を作って9日間(9ラウンド)のバザーで売って稼ごう! というようなテーマです。
最大点数を取った人が勝ちです。

メインは、このお鍋に材料をぶち込んでぐつぐつ煮る。いつ見てもいい個人ボードやぁ・・・。
中央の0から始まり、外周に行くほど、取れる得点(左下の四角で囲まれた数字)が高くなっていますね。MAXが15点。ラウンドごとにチャンスがあり、9ラウンド経て何点取れるか? というゲームです。

で、どうやってプレイするかというと、全員同時に自分のバッグからランダムにチップを引きます。

えいや!!!

はい、白ー。

チップを引いたら、このように配置します。

数字が「2」などであれば、その数字分スキップして置く。
ちなみに、白チップの合計数値が8以上になると・・・

バースト!

チップを置くのをやめなければいけません。鍋が爆発!(多分違う)
このチップ引きが、なんといってもバカ楽しいパートです。

最初は白チップばかり入ってるので、全然遠くまで置けません。なので、新たなチップを買い物してバッグに入れ、バッグを強化する必要があります。購入に使える金は、最後に置いたチップの上に書かれている数字(↑の写真なら、8と10の間なので9金)になります。

購入フェイズで、これらの特殊チップが購入できます。それぞれ強力な能力を持っており、購入コストが異なります。1ラウンド中、最大2個まで(1種類1個まで)買うことができます(写真は英語版)。

安く買える分、何も起こらないカボチャ。でも、白もたまらない。

カボチャがすでに出ていれば、ボーナスでもっと進めるようになるキノコ。コンボ系チップ。

毒グモ。最後か最後の1つ手前に置かれていると、ルビーがもらえる。こんな薬誰が飲むんだ・・・。

めちゃ強い青チップ。次に引くチップが気に入らなかったら置かずにバッグに戻せる。

羽虫。左右の隣接プレイヤー次第でボーナスが発生。まじでこの薬誰が飲むの・・・。

ラウンドが進むとさらに2色のチップが購入できるようになります。

そんなわけで、購入するごとにバッグの中身が強くなっていき・・・

こんな感じで、どんどん遠くに置けるようになります。鍋の中身がヤバいことにぃ! もちろん、引き運次第なので全然伸びずに終わることも・・・。

ラウンドでは「得点フェイズ」(四角)と「購入フェイズ」(泡ぶく)がありまして、バーストすると、どちらか一方しかできません。

序盤はそもそもあまり点が伸びないので、バースト覚悟でどんどんチップを引き、後半は点が伸びてくるので、バーストしないようにうまく得点と購入の両方を得ていきたい。

序盤の点数で出遅れても、ネズミのしっぽルールのおかげで順位が低いプレイヤーは下駄をはかせてもらえます。得点表のネズミのしっぽの数を数えて、

その数の分だけ、進んだところから材料入れをスタートできる。これがあるから、最初は多少バーストしてもいいや! なるべく金を稼ごう! となります。

終了条件

9ラウンドが終わったら終了。得点が一番多かった人が勝ちです。

チップの能力は変更可能

チップはゲーム毎に能力を変更して遊ぶことができます。

各タイル両面あるので、黒以外は1色につき4種類の能力がある。これにより、リプレイ性もかなり高いです。

感想

テーマ・フレーバー

ちょっと古臭くて衛生観念なんてあったもんじゃない時代っぽい雰囲気で薬づくり、というテーマ。

正直テーマとシステムがマッチしているかと言われると・・・ですが、少なくとも怪しさで雰囲気はむんむんに醸し出してます。薬に入れる材料が怪しすぎる笑
この作者さん、「ティーフェンタールの酒場」の雰囲気もそうですが、全体として独特なテイストですよね。

フレーバー・アートワーク全体的に素晴らしいと思うのですが、個人的には苦手寄り。魅力的ではあると思いますが、「好き」に振りきれない感覚です。

アートワーク・コンポーネント

チップやルビー、個人ボードなどのコンポーネントはとっても質が良くて、遊ぶたびに好評価です。遊んでてボドゲ感(造語)を存分に感じられます。リッチなおままごと。

ゲーム中に使える瓶のタイルも、デザインが良いですねぇ。

ルビー置き場。角度が絶妙で、ほんとに置いてるみたい。

コンポーネントはめっちゃ良いですよ!

プレイ感

いわゆるデッキ構築・バッグ構築のメカニズムに、チキンレースを掛け合わせています。
チキンレースのアドレナリン爆発的な楽しさと、それをコントロールするためのチップ購入の知的な楽しさが融合しています。

バックからの福引きは当然運次第なんですが、バッグを改良することで運の確率を上げていくのが面白いところ。

とにかくチップを引いていくのは楽しい。(バーストしろ!)と密かに思いながら「まだまだいけるっしょ~」と互いに煽り合うのがめっちゃ盛り上がります。チップを引いて配置するのは全員同時なので、ダウンタイムが少ないのも良いですね。

パーティーゲームの盛り上がりを見せつつも、中量級のボドゲらしい戦術・戦略も味わえるオイシイゲームですね。

バッグ構築とデッキ構築の好みの差が出ます

情報サイトでは「デッキ構築・バッグ構築」と括られるこのメカニズム。

運と戦術で言えば、バッグドロー(袋から中身を見ずにランダムで引く)の性質上、もちろん運に傾いています。ので、いくら強化してもあっさりバーストするのもご愛敬。強いチップを購入しても一回も引かない可能性は全然あります。この、せっかく中身を改良したのに生かせない可能性があるという点をどこまで許容するかですね。

運要素の強い「バッグ構築」に対して、カードで山を作る「デッキ構築」は、いつカードが手札に来るかはコントロールできませんが、デッキに入れ込めばいつかは必ず引けます。つまり、改良の手ごたえを確実に感じられる。
ここは好みが分かれるポイントですよね。

私個人としては、自分が組み立てたデッキの力を存分に味わえるデッキ構築の方がより好みではあります。
なので、クアックサルバーのシステムはホームラン! という感じではなく、ツーベースくらいな感じ。遊ぶと瞬間最大風速はめっちゃ強くて楽しく感じるのですが、「あ~またあれやりたい」というモチベにはつながりにくい。
でも、ボドゲに不慣れな方や、人数が多い時に盛り上がりたい時になら出して一緒に盛り上がれるかな~要員という位置づけです(大好きでリプレイしている方すいません!)。

あ、でも最近買ったファースト・イン・フライトは、デッキだけどほぼバッグ構築に近いメカニズムなんだよな・・・。だいじょぶかな・・・。

インタラクション

両隣のプレイヤーを参照する能力を持つチップがあったり、得点差があると下駄をはかせてもらえる・・・などのインタラクションはありますが、ほとんどソロプレイといっていいでしょう。

運に一喜一憂する、その楽しさの共有が、一番のインタラクションですね。なにしろ一緒に福引するのが楽しいんですよ。

本来であれば、チップを引くのは各々勝手にやっていいんですが、私は全ラウンドで同時に「せーの」と引いていくのが好きです。その方が、お互いの進行状況の差が見えて楽しいんですよね~。

得点で出遅れても下駄をはかせてもらえるシステムは結構良いと思います。
ただ、それゆえに序盤から先行して逃げ切るようなプレイスタイルが通りにくい。序盤に得点を取るうまみがもっとあったら、戦術に深みが出て好みも増したのかな?

リプレイ性

チップの能力が4種類あるほか、個人ボードも裏面があります。

このように、多様な楽しみ方ができるので、大変リプレイ性は高いです。

プレイ環境(対象・人数・時間・キッズ)

対象・年齢・キッズ

公称は10歳から。
ラウンド開始時に引くイベントカード、チップの能力を読む際に多少言語依存があります。

特殊能力の把握がやや難しいかもしれませんが、チキンレースなので子どもも楽しめると思います。数字の足し算は必要ですね。
また、初心者にもおすすめ! ワイワイやれますよ。

ただし、チップの能力は最初のうちはその都度確認しながらプレイすることになると思います。

プレイ人数

2-4人。BGGでの推奨人数は4人で、私もそれに同意!

人数が多い方がパーティーゲーの良いところがぐんぐん引き出されて盛り上がりますね。2人プレイもやってみたことがありますが、いまいち盛り上がりませんでした。こうなると、9ラウンドもあるためむしろ淡々と進む味気なさと作業感が強かった・・・。

プレイ時間

公称45分。2-3回目のプレイであれば、大体それくらいで終わりそう。

初プレイであれば1時間~となることもありますが、全員同時アクションの部分が多いため、ダウンタイムも少なくサクサク進みますので、ダレる印象はないですね。

言語依存

中の下程度かな? 共通ボードや個人ボード、チップには言語依存はありませんが、イベントカードとチップの説明に言語依存があります。チップは一度覚えれば、あとはなんとなくアイコンでわかりますが、カードは翻訳しないとわからないですね。

総評

評価7/10

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間違いなく面白いボードゲーム!
2018年のドイツ年間ゲーム大賞エキスパート部門を受賞しているだけはあります。

システムと雰囲気は抜群に「面白い」と太鼓判を押せるのですが、テーマ的に好きに振り切れなかったので☆7となりました。

あと、個人的にはバッグ構築よりデッキ構築の方がやや好み度が高い点、2人プレイがやや盛り上がりに欠ける点、あとベストが4人な点がやや私のプレイ環境に合っていないという点も大きかったかな。でも、面白さは保証するので限りなく☆8に近い☆7です。

どちらかといえばパーティーゲー寄りで、初プレイ時にも出しやすく、ゲームに不慣れな人もチキンレースで盛り上がれる。なおかつ、バック構築の戦術的要素に見られるボードゲームの面白みも味わえる隙のなさ。

コンポーネントも凝っているので、触ってるだけで満足感♪ を感じられますよ。

販売状況

スリーブ

クアックサルバーにはイベントカードが24枚あります。カードサイズは87mm×56mmです。

ハードタイプ

ソフトタイプ

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